サービス開発者の想い

私もひとり娘を持つ親として、「安心して毎日の登下校をさせたい」という想いは保護者の方々と同じです。

サービス開発者 小坂光彦

※取材日2012年7月
当時 阪神電気鉄道株式会社 あんしん事業統括マネージャー として受けた取材の内容です。
※2018年度~2023年度まで代表取締役社長として就任

阪神電鉄が「ミマモルメ」をつくったきっかけ

「PiTaPa」カードに「あんしんグーパス」というオフィシャルサービスがあります。お子様が加盟鉄道の改札機を通過すると、その情報が保護者の方にメール配信されるというものです。運営は弊社グループで行っていますが、このサービスにお客様から寄せられた手紙やハガキの多さとその内容に衝撃を受けました。「このシステムにはすごく感謝している」「PiTaPaカードを昨日申し込んだけれど、あんしんグーパスをすぐに使えるようにしてほしい」など、サービスの必要性がヒシヒシと伝わってきました。「こんなに社会に貢献している仕組みなら、もっと広く利用できるようにしたい」と強く思っていました。

実は阪神グループでタッチ式の登下校メールサービスを提供していました

実は弊社グループでは、「ピタッとメール」という私立小学校向けの登下校メールサービスを先行して提供していました。しかし、利用されるのは小学生のお子様ですので、タッチ忘れが頻発して、保護者の方々が余計に不安になる等の課題が発生していました。種々の検討をすすめていくうちに、無線ICタグの技術なら課題をすべて解決できることが分かりました。

実は阪神グループでタッチ式の登下校メールサービスを提供していました

  • 登下校時に、子どもたちが様々な危険にさらされている」という社会問題をご存知だと思います。これは私立小学校に限らず、公立でも同じです。私には、公立小学校に通う一人娘がいますので、子どもの登下校時を不安に思う保護者の方々の気持ちがよく分かります。自然と、公立小学校でも広くご利用いただけるサービスにしようと思いました。
    まずは学校設備の設置費用はすべて弊社負担とし、学校予算やPTA会費の拠出を不要にしました。また学校の先生方は本来の業務でとても忙しいので、弊社サービスの導入でお手間が増えないようにサービスを組み立てました。サービスの契約は弊社と個々の保護者の間で結び、説明会の実施、問い合わせ、利用料金の受け取りなどもすべて弊社で行っています。この仕組みなら学校の経済的・作業的な負担はなく、公立小学校でも導入いただくことが可能だと考えました。

サービス開始約1年で導入校が サービス開始約1年で導入校が100校を突破しました

おかげさまで予想をはるかに超えるご支持をいただき、サービス開始約1年で導入校が100校を突破しました。現在では首都圏にもサービスが広がるなど順調に展開しております。特に弊社沿線地域であり、サービス開始当初からご紹介させて頂いた芦屋市、西宮市、尼崎市では、公立小学校の半数以上(平成24年7月現在)で導入頂いております。

※平成29年10月現在、約1000校で導入頂いております。

「ミマモルメ」 ブランド名の由来

「見守る」+「目」という意味を込めています。あと、気づかれる人はほとんどいないのですが、ロゴの「メ」の部分には「目」をイメージしたイラストを入れています。男性の先生方からは「ミマモルメって発音しにくい」とご指摘頂いたり、「ミマモール」などと間違えて覚えていただくこともあるのですが、女性の保護者の方からは「カワイイ」とご評価いただくことが多いです。みなさまに「ミマモルメ」と間違わずに言って頂けるよう、今後も頑張っていきたいと思います。

「ミマモルメ」 今後の展開

  • お子様が在籍する学校以外でも、ミマモルメを導入している施設であればICタグをお持ち頂ければ通過情報がメール配信されます。まずは多くの小学校で導入していただくことで、日曜日のスポーツ活動時等でも活用して頂けるようにしたいです。次に図書館などの公共施設、塾やスイミング等の施設に広げることで、地域でのお子様の動きが把握できるようなサービスを目指しています。その意味では、補完機能として保護者の方からのご要望の多いGPS機能の追加も検討しているところです。また、対象を小学生に限定せず、乳幼児、高齢者の方々向けのサービスも準備しており、まもなくご提供できるのではないかと思います。さらに、ICタグの特性を活かした「入退館の全履歴管理」なども非常にニーズの高い分野であると感じており、本格的な展開を考えております。

※平成26年6月:登降園ミマモルメ開始(幼稚園向け、時間管理システム)

※平成26年9月:ミマモルメGPS開始(子ども向け、高齢者向け)

※平成28年3月:まちなかミマモルメ開始(まちなかの受信器とボランティアによる街全体で子どもと高齢者を見守るシステム)

みなさまに「安心」をお届けしたい

阪急阪神ホールディングスでは、経営理念に「『安心・快適』、そして『夢・感動』をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します」を、その社会貢献活動「阪急阪神ゆめ・まちプロジェクト」においては「未来にわたり住みたいまちをつくる」を掲げています。その中で、阪神電鉄の「あんしんサービス」では、「ミマモルメ」以外でもさまざまな「安心」をお届けすることで、みなさまに信頼される存在となり、そうあり続けたいと思っています。 今後もよろしくお願いいたします。